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営業組織とAI

営業の1on1とは?進捗確認で終わらせない進め方と質問例|SaaS営業マネージャー向けに具体例で解説

公開日: 執筆: 株式会社DeploAI

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「1on1を始めたのに、結局『今月の見込みはどうだ』という案件の確認で終わってしまう」「担当者が『特にありません』としか言わず、30分が重い」——営業マネージャーから、よく聞く悩みです。

結論から言うと、営業の1on1を機能させる鍵は、案件の進捗確認と切り分け、担当者が商談から学んだことと次の一手を言葉にさせる場にすることです。 案件の数字を確認する場と、人の成長を扱う場が混ざると、1on1は報告会になります。さらに、商談の中身を事前に把握していないと、マネージャーが確認できるのは「受注見込み」という結果だけになり、話が深まりません。

この記事では、営業の1on1の意味、進捗確認になる理由、30分の組み立て、SaaS営業の会話例と時間の試算、場面別の質問例、続けるための仕組みとAIの使いどころを解説します。商談の振り返りの型は成果につながる商談の振り返り、商談後の次の一手の決め方はネクストアクション、新人の立ち上がりは営業オンボーディング、案件を見るレビューはパイプラインの数字の見方で扱っています。本記事は、その間にある「マネージャーと担当者が1対1で話す場の作り方」に絞った解説です。

弊社(株式会社 DeploAI)は、営業の理想形を基準に商談を支援するプロアクティブ営業支援AIエージェント「IntelligentSales(インテリジェントセールス)」を開発しています。理想から逆算して「いまどこまで来ていて、次に何をすべきか」を考える発想は、バックキャストと同じです。

営業の1on1とは?案件レビューと何が違うのか

営業の1on1とは、マネージャーと営業担当者が定期的に1対1で話し、担当者の学びと次の一手を引き出す対話です。 案件の状況を報告させる場ではなく、担当者が自分の力で次の商談を良くしていくための場、と位置づけると運用しやすくなります。

案件レビューと混ざりやすいので、役割を分けて整理します。

案件レビュー 営業の1on1
主役 案件(金額・時期・確度) 担当者(学び・課題・成長)
目的 案件を前に進める、見込みを確かめる 担当者が次の商談を自分で良くできるようにする
主な話題 次の一手、決裁者、競合、リスク 商談で起きたこと、気づき、試したいこと
話す人 マネージャーが問い、担当者が報告する 担当者が話す時間のほうが長い
頻度の目安 週次など、案件の動きに合わせる 隔週〜月次の定例で、継続する

どちらも必要ですが、同じ30分に詰め込むと、案件レビューの時間に1on1が飲み込まれます。 数字を確認する場は別に切り出し、1on1では案件の数字を出発点にしない、という線引きが最初の一歩です。

なぜ営業の1on1は進捗確認になってしまうのか?

営業の1on1が進捗確認になる原因は、大きく「話題の固定」「材料の不足」「問い方」「記録の欠如」「頻度の途切れ」の5つに分けられます。

1話題の固定案件の数字と状況から話が始まり、報告する側・聞く側に固定される
2材料の不足商談の中身を把握しておらず、結果の確認しかできない
3問い方「なぜ決まらないのか」と原因を問い詰め、防御的な答えを呼ぶ
4記録の欠如前回の話が残っておらず、毎回ゼロから話し始める
5頻度の途切れ忙しい時期に飛び、再開したときには話題が溜まりすぎている

1on1が進捗確認になる5つの原因。話題・材料・問い方・記録・頻度のどこがずれているかを、まず確かめる。

原因1:話題の固定——案件の数字から始まる

話題が案件の数字から始まると、マネージャーが問い、担当者が報告する形が固定されます。 数字を聞かれた担当者は、うまく進んでいる点を説明する側に回るため、困っていることや迷いが出てきません。

原因2:材料の不足——商談の中身を知らない

マネージャーが商談の中身を知らないと、確認できるのは「見込みはどうか」という結果だけになります。 商談を録音や記録で見ていれば、「この場面で顧客が黙りましたね」のように、事実から話を始められます。

原因3:問い方——原因を問い詰める

「なぜ決まらないのか」「どうして次のアポが取れていないのか」という問いは、責められていると感じさせます。 責められた担当者は理由を並べて防御し、本音が出ません。事実を聞く質問から始めると、答えやすくなります。

原因4:記録の欠如——前回が残っていない

1on1の内容が記録されていないと、毎回ゼロから話し始めることになります。 前回「次の商談で試してみる」と決めたことが、今回確認されなければ、決めることに意味がなくなります。

原因5:頻度の途切れ——溜まった話題が重くなる

繁忙期に1on1が飛ぶと、再開時に話題が溜まり、結局、案件の状況確認に流れます。 短くても、間を空けすぎない頻度で続けることが大切です。

30分の1on1は、どう組み立てればよいか?

30分の1on1は、「前回の確認」「商談の事実」「気づき」「次の一手」「合意の確認」の5つで組み立てると、報告会になりにくくなります。 時間配分の例を示します(あくまで目安です)。

時間 内容 狙い
約3分 前回の確認 前回決めた「試すこと」をやってみたかを聞く。責めずに、事実だけを確かめる
約10分 商談の事実 直近の1〜2商談を選び、起きたことを担当者の言葉で振り返ってもらう
約8分 気づき 顧客の反応、うまくいった点、迷った点から、担当者自身の気づきを引き出す
約6分 次の一手 次の商談で、変えてみることを1つ決める。大きな目標にせず、小さく具体的にする
約3分 合意の確認 決めたことを担当者の言葉で言い直してもらい、記録に残す

ポイントは、次の一手を「1つ」に絞ることです。あれもこれもと決めると、次回の確認ができず、実行されません。

具体例:SaaS営業の1on1を、進捗確認から対話に変えるには?

SaaS営業で受注までの案件が止まっているときは、止まっている理由を問い詰めるのではなく、商談で起きた事実から始めると、担当者の気づきを引き出せます。 説明用の仮の場面で示します(実在の企業や数値ではありません)。

背景は次のとおりです。入社2年目のAEが、情報システム部門向けのSaaSを担当しています。ここ2か月、初回商談から提案までは進むものの、提案の後の商談が進まない案件が複数あります。マネージャーはそれが気になっています。

まず、進捗確認になってしまう1on1の例です。

マネージャー:「今月の見込み、どうなってる?A社とB社はいつ決まりそう?」

担当者:「A社は来週、先方の部長に提案します。B社は…いま調整中です」

マネージャー:「調整中って、いつまでに?提案後に止まるのは何が原因なの?」

担当者:「…価格の面かもしれません。もう少し頑張ります」

この会話は、見込みの確認と原因の追及で終わりました。担当者は防御的に「頑張ります」と答えるだけで、次の商談で何を変えるかは決まっていません。

次に、商談の事実から始める1on1の例です。マネージャーは事前に、直近の提案商談の記録を見ています。

マネージャー:「前回の1on1で、提案資料の最初に課題の確認を入れてみると言っていましたよね。やってみましたか?」

担当者:「はい、B社の提案でやってみました」

マネージャー:「どうでしたか。顧客の反応で、印象に残った場面はありますか」

担当者:「課題の確認のところで、先方の担当者が『実は、申請の承認がいちばん時間がかかっていて』と話してくれました。ただ、そのあとの機能の説明は、あまり聞いてもらえなかった気がします」

マネージャー:「その場面で、承認の話をもう少し掘り下げるとしたら、どんな質問ができたでしょうか」

担当者:「承認に、いま何日くらいかかっているかを聞けたと思います。そこが数字になれば、提案の効果も説明しやすいです」

マネージャー:「いいですね。次のB社との商談で、試してみることを1つ決めましょうか」

担当者:「承認にかかっている日数と、関わる人数を聞いてみます」

この会話では、マネージャーは答えを教えていません。担当者自身が、顧客が反応した場面と、そこで聞けなかったことに気づき、次の一手を決めました。 提案後に止まる原因は「価格」ではなく、課題を数字にして提案につなげられていないことだったのかもしれません。それに気づいたのは、事実から始めたからです。

1on1の準備にかかる時間の違いを、説明用の仮の値で試算します(数値は例であり、実際は組織の状況に合わせて置き換えてください)。

  • マネージャー1人が、AE6名と隔週で1on1をする場合:6名 ÷ 2週 = 週あたり平均3回、1回30分で 週1.5時間
  • 商談記録を見て材料を作る準備を、1回あたり20分とすると、週3回 × 20分 = 週1時間
  • 1on1の時間そのものより、準備の1時間が、続けられるかどうかを左右する

準備を毎回、商談の録音やメモを開いて手作業で行うと、案件が増えた時期に準備が間に合わず、「準備なしの進捗確認」に戻ります。材料の整理を仕組みに任せられるかどうかが、1on1を続けられるかの分かれ目になります。

場面別:1on1で使える質問例は?

1on1の質問は、「事実」「気づき」「次の行動」を順に引き出す形にすると、答えやすく、対話になります。 場面ごとの質問例を示します。

場面 質問の例 狙い
商談の事実を聞く 「今週いちばん手応えがあった商談は、どれですか」 うまくいった場面から始めて、話しやすくする
顧客の反応を聞く 「顧客が最も反応したのは、どの場面でしたか」 顧客の関心がどこにあったかを担当者の言葉にする
迷いを聞く 「商談の中で、判断に迷った場面はありましたか」 困りごとを責められずに出せるようにする
案件が止まったとき 「この案件で、次に確かめたいことは何ですか」 「なぜ止まったか」ではなく、次に確かめることに焦点を移す
次の行動を決める 「次の商談で、1つだけ変えるとしたら何ですか」 小さく具体的な行動に絞る
前回の確認 「前回決めた、試してみることはどうでしたか」 実行したかを事実で確かめ、続けて話せるようにする

避けたい問いは、「なぜ決まらないのか」「どうして○○しなかったのか」と、原因を問い詰める形です。同じ内容を聞くなら、「次の商談で確かめたいことは何ですか」のように、未来に向けた形に言い換えます。

担当者の話し方や考え方のタイプによって、響く伝え方が変わる面もあります。タイプ別の接し方はDISC、信頼関係の築き方はラポールが参考になります。

1on1を続けるための仕組みと、AIの使いどころは?

1on1を続けるには、「記録を残す」「材料を事前に整える」「決めたことを次回に確認する」の3つを仕組みにします。 マネージャーの熱意や記憶に頼らず、回り続ける形にするためです。

  • 記録を残す:1on1で決めた「次の商談で試すこと」を1行で残す。次回の最初に確認する
  • 材料を事前に整える:商談の記録から、止まっている案件、顧客の反応が動いた場面、次の一手の候補を、1on1の前に整理しておく
  • 前回の確認を型にする:冒頭の3分は、前回決めたことの確認に使う

この「材料を事前に整える」部分は、AIが得意とするところです。IntelligentSales(インテリジェントセールス)は、営業フレームワークから抽出・体系化した理想の営業を基準に、6つの専門AI(セールスフレーム分析〔SFRA〕・心理行動変容分析〔BCA〕・競合分析・折衝力学・顧客特性診断・評価アクション)が商談を支援します。1on1に関係するのは、主に次の部分です。

場面 IntelligentSales の機能 できること
1on1の前 SFRA(セールスフレーム分析) 直近の商談の発話から、商談がどの段階で止まっているかを判定し、次に踏むべきステップと質問を提示する
1on1の前 BCA(心理行動変容分析) 商談記録から、顧客の関心が動いた箇所・離れた箇所を反応として可視化する
1on1の前 折衝力学 押す力・ためらい・摩擦の3軸で折衝を分析し、効いた働きかけを抽出する

たとえば、先ほどの会話例で「顧客が反応した場面」と「そのあとに関心が離れた場面」があらかじめ可視化されていれば、マネージャーは確認の手間を減らして、聞くことに集中できます。

なお、商談中の支援は、事前に用意した示唆質問や切り返し例といった「準備済みのガイド」を手元で参照する形です。その場で即時に検知して介在するリアルタイム支援は、将来構想です。

AIが整えるのは「どこで止まり、どこで反応が動いたか」という材料であり、担当者の気づきを引き出して次の一手を決める対話そのものはマネージャーが担います。 育成の全体像は営業育成が追いつかない組織のためのAIコーチング入門で扱っています。

まとめ

  • 営業の1on1とは、マネージャーと担当者が1対1で話し、担当者の学びと次の一手を引き出す対話。案件レビューとは役割を分ける
  • 進捗確認になる原因は、話題の固定・材料の不足・問い方・記録の欠如・頻度の途切れの5つ
  • 30分は前回の確認→商談の事実→気づき→次の一手→合意の確認で組み立て、次の一手は1つに絞る
  • SaaS営業で提案後に止まる案件は、原因を問い詰めず、商談で起きた事実から始めると、担当者自身が気づける
  • 質問は事実・気づき・次の行動の順。「なぜ決まらないのか」は「次に確かめたいことは何か」に言い換える
  • 続けるには記録・事前の材料・前回の確認を仕組みにする。AIは材料づくり、気づきを引き出す対話はマネージャー

IntelligentSales の機能は機能ページ、料金は料金・プランをご覧ください。導入のご相談は資料請求・無料デモ相談からどうぞ。

関連記事:成果につながる商談の振り返り|営業オンボーディングとは|営業育成のAIコーチング入門|商談後のネクストアクション

よくある質問

営業の1on1とは何ですか?
営業の1on1とは、マネージャーと営業担当者が定期的に1対1で行う対話です。案件の進捗を報告させる場ではなく、担当者が商談から何を学び、次に何を試すかを一緒に言葉にして、成長と成果につなげることを目的にします。案件単位の確認は「案件レビュー」、人の成長を扱うのが1on1、と役割を分けると運用しやすくなります。
営業の1on1が進捗確認で終わってしまうのはなぜですか?
話題の中心が「案件の数字と状況」になると、マネージャーが聞き、担当者が報告する形に固定されるためです。さらに、商談の中身を事前に把握していないと、確認できるのは「受注見込みはどうか」といった結果だけになります。案件の確認は別の場に切り出し、1on1では商談で起きたことと次の一手を扱うと、対話になります。
営業の1on1は、どれくらいの頻度と時間で行うのがよいですか?
決まった正解はありませんが、隔週から月次の30分前後で、継続して続けられる頻度が現実的です。長く開くほど案件の状況確認に流れやすくなります。頻度を上げる場合は、担当者の負担にならないよう、事前準備を最小限にして、材料をマネージャー側で整えておくことが大切です。
1on1で、どんな質問をすればよいですか?
「今週いちばん手応えがあった商談はどれですか」「顧客が最も反応したのはどの場面でしたか」「次の商談で、変えてみたいことは何ですか」のように、事実・気づき・次の行動を順に引き出す質問が効きます。「なぜ決まらないのか」と原因を問い詰める質問は、防御的な答えを呼びやすいので避けます。
1on1の質を、マネージャーの力量に頼らず保つには?
商談の記録から「止まっている案件」「顧客の反応が動いた場面」「次の一手の候補」をあらかじめ整理して、1on1の材料にします。話すべき点が事前に絞れていれば、マネージャーは聞くことに集中できます。AIは材料を整える役割で、担当者の気づきを引き出す対話そのものはマネージャーが担います。

執筆・編集

IntelligentSales コラム編集部

プロアクティブセールスAI「IntelligentSales(インテリジェントセールス)」を開発する株式会社DeploAI のコラム編集部です。営業フレームワーク・商談分析・営業組織のAI活用など、営業組織の課題解決に役立つ情報をお届けします。

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